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損益分岐点分析

 損益分岐点とは、お店の利益がちょうどゼロになる売上高のことです。つまり、利益も損失も出ない、赤字と黒字の分かれ目です。お店の経営を維持していくために最低限必要な売上高が、損益分岐点売上高なのです。
 つまり、自分お店の損益分岐点売上高を把握するということは、赤字を出さないようにするための最低限の売上高を知るということです。この損益分岐点は、目標利益・目標売上高を設定するためにも必要となる重要な考え方です。

 では、この損益分岐点売上高の求め方についてみていきましょう。
会社の費用には、変動費固定費という2種類の費用があります。そして、この変動費固定費の合計が会社の費用です。
変動費とは、商品の原価を構成するお肉やお魚、お米など売上高に応じて変化する費用です。売上高に応じて変化する費用であるため、金額ではなく割合(パーセンテージ)でとらえます。つまり、1,000円の商品のうち、その原価が300円なら、変動比率は30%ということになります。
 一方、
固定費とは、お店の家賃やリース料、従業員の固定給など売上高に関係なく、毎月(毎期)定額で発生する費用です。
 厳密に言えば、電話料金や水道代・ガス代のうち基本料金部分は固定費、利用料部分は変動費です。また、給与のうち、アルバイト分や社員の残業代部分は変動費と考えることもあるようです。アルバイト給与も本来は純粋な変動費ではなく、ある一定の客数まではアルバイト一人で大丈夫で、一定の客数を超えると二人必要になるというように、固定費的な要素(準固定費)もあると思います。
 本来は、固定費と変動費、出来るだけ実情に即し的確に分けるのが望ましいことですが、食いしん坊税理士の経験から言うと、小さな飲食店の場合、商品の原価(材料)のみを変動費、それ以外を固定費と考えてもそれほど、実害はないと思います。

 で、損益分岐点売上高とは、お店の売上高と、上記の変動費と固定費の合計が、ちょうど一致するポイント(売上高)です。その関係を表せたのが、以下の図です。
飲食店の損益分岐点売上高・CVP分析
 具体的に見ていきます。
計算を簡単にするため、上記の図の縦軸も横軸も金額(売上高)とします。
パーラーくりき(食堂)の、原価率(材料比率)は、30%です。で、1月の固定費(家賃・給与・水道光熱費など)は140万円です。では、最低いくらの売上高が必要となるでしょう。
 まず、売上高をXとします。変動費は、売上高の30%なので、0.3Xとなります。売上高(X)と、経費(変動費0.3Xと固定費140万円の合計)が一致するポイントが損益分岐点です。つまり、簡単な数式で表すと以下のようになります。

     X     = 0.3X+140万円
  (1−0.3)X = 140万円
      0.7X = 140万円
         X = 200万円


 つまり、上記のパーラーくりきは、月200万円の売上高があれば、お店を維持していけます。この200万円が、このお店の損益分岐点売上高です。

 これを参考に、みなさんのお店の損益分岐点売上高を求めてみてはいかがでしょうか?

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